お金の名人

あなたの家計にそっと伴走する、お金の地図。

10年使っていない口座は「休眠預金」になっても、期限なく引き出せる

シェアする

引っ越しの片付けで、押し入れの奥から古い通帳が出てきた。

最後に記帳したのは10年以上前。

そんなとき頭をよぎるのが、「10年放置すると預金は消える」という話ではないでしょうか。

実は、10年以上使っていない口座のお金は、休眠預金になっても取引のあった金融機関の窓口で引き出すことはできます。

この引き出しに期限はなく、受け取れるのは元本に利子相当額を加えた金額。

社会に使われるのに、なぜ戻ってくるのか

休眠預金になったお金は、金融機関から預金保険機構へ移され、民間公益活動に活用されます。

そうなってくると、自分のお金が社会のために使われるなら、もう戻らないのでは? と思いますよね。

でも、ここには仕組みがあって、お金が機構へ移された日に、預金者が銀行に持っていた預金債権は消え、その代わりに、法律が別の権利を用意しています。

元本と利子相当額を「休眠預金等代替金」として、取引のあった金融機関に請求できる権利で、金融機関が機構から委託を受けて支払い、あとで機構に求償します。

支払いを支えているのが、機構が積み立てる準備金で、移管されたお金のすべてが活用に回るのではなく、払戻しに備えた分が手元に残されます。

2025年度の実績を見ると、移管は約587万件・約1,870.8億円で、同じ年度に、代替金として支払われたのは約54.5万件・約587.3億円。

年度末の準備金は約3,241.2億円で「引き出せる」という案内は、実際に毎年使われている制度なんですね。

消えるのは預金債権で、お金を受け取る権利は残り「預金が消える」という話の正体は、ここにあるんです。

自分の口座は対象なのか

休眠預金になるのは、10年以上「異動」がない預金等で、2009年1月以降に最後の異動があったものが原則対象となり、普通預金のほか、定期預金や定期積金も含まれ、定期預金は、預入期間の末日(自動継続は最初の期間の末日)から10年です。

異動とは、入出金など、今後も預金を使う意思が示されたとみなせる取引で、利子の入金は異動になりません。

通帳の記帳や残高照会、契約内容の変更が異動に入るかどうかは、金融機関が認可を受けているかで決まり、たとえばゆうちょ銀行では、通帳記帳、通帳の繰越、通帳・証書の発行(再発行を含む)が異動となり、最後に記帳したのがいつか、預け先の異動の範囲はどこまでか。この二つが分かれ目です。

対象外の預金もあり、外貨預金、財形貯蓄、仕組預金、マル優口座などは、最後の異動が2009年1月より前の預金も制度の対象外ですが、金融機関は通常、引き出しに応じています。

注意したいのが、郵政民営化前の郵便貯金で、2007年10月1日より前に預けた定額・定期・積立郵便貯金は、休眠預金の制度とは別の扱いで、満期後20年を過ぎても請求がないと催告があり、その後2か月で権利が消滅します。

該当しそうな通帳があれば、郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構のウェブサイトで取り扱いを確認してください。

「期限なし」は、休眠預金等活用法の対象になる預金についての話です。

通知が届くかどうかで道が分かれる

最後の異動から9年が過ぎると、金融機関は移管の対象になりうる預金を、ウェブサイトで公告します。

元本1万円以上の預金には、登録された住所へ通知も送られ、この通知を受け取ると、その後の10年は休眠預金になりません。

分かれ道になるのが、通知が届くかどうかで、残高が1万円未満だったり、住所変更を届けていないために通知が届かなかったりすると、公告開始から2か月〜1年の間に移管されます。

引っ越しのあとに住所を届けていなければ、この通知は手元に届きませんので注意を。

窓口で引き出すとき

移管されたあとも、窓口は取引のあった金融機関で、通帳やキャッシュカード、本人確認書類を持っていきます。

通帳などをなくしていても、本人確認書類などで引き出すことができ、合併で金融機関が変わっていれば、引き継いだ現在の金融機関が窓口となります。

ATMではなく窓口での手続きになり、普段の引き出しより時間がかかることが多いようです。

引き出したお金を現金で受け取るのか、元の口座を使い続けられるのかも、金融機関によって違い、ゆうちょ銀行の場合、移管後はATMやゆうちょダイレクトが使えなくなることがあり、窓口で払戻し(解約)か継続利用の手続きをします。

押し入れの通帳が出てきたら、まず取引のあった金融機関に、その口座の状態と必要な手続きを聞いてみてくださいね。


シェアする

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です