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NISAで教育費を投資するのは危険?生活費・教育費と投資資金の使い分け

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NISAや積立投資が身近になっている中、「教育費や生活費まで投資に回して大丈夫か」と不安を感じる人が増えています。

特に子育て世代では、10年後の大学費用を目的に多額の預金を投資へ回す事例や、手取りの多くをNISAに充てているのに「毎月カツカツ」と感じる世帯の話題が取り上げられています。

今回、NISAという制度の特性を踏まえつつ、「どのお金を投資に回してよくて、どのお金は手元に残すべきか」を整理してみます。

結論から言うと、NISAは「当面使う予定のない資金」に向いた制度であり、教育費や生活費まで安易に投資に回すと、必要な時期に資金を確保できない、あるいは生活が圧迫されるリスクがあります。

NISAは「どんなお金」に向いた制度か

NISAを「とにかく埋めるべき枠」と捉える前に、この制度が前提としている「お金の性質」を確認しておきましょう。

新NISAは、個人投資家が一定の非課税枠内で投資信託等を購入できる制度で、つみたて投資枠と成長投資枠が設けられていて、投資から得られる配当・分配金・譲渡益が非課税となります 。

この「非課税」というメリットは、長期的に資産を増やしたい人にとっては大きな意味を持ちますが、非課税だからといって「どんなお金でも入れてよい」ということではありません。

長期保有を前提とした制度である理由

新NISAの非課税保有期間は無期限であり、これは、短期の売買で利益を確定させることを前提とした設計ではなく、長期的な資産形成を支援する制度であることを示しています。

その一方で、投資信託などの価格は変動するものですし、投資には価格変動リスクがあり、短期間で必要な資金をすべて投資に回してしまうと、必要な時期に元本割れしている可能性もあります。

つまり、NISAのメリットを最大限に活かせるのは「10年以上の長期で運用できる余剰資金」で、数年以内に使うことが決まっているお金をNISAに入れることは、制度の前提と資金の性質が一致していません。

教育費と生活費を投資に回すリスク

「10年後の大学費用に充てる」という目的で、多額の預金を投資へ回す事例が話題になることがあるのですが、未来のために毎月の手取りの多くをNISA積立に充ててしまい、日々の生活が苦し苦なっているという声もあります。

これらは、資金の用途と投資の性質を混同したときに起きがちな問題で、子どもの大学進学は、時期がほぼ固定された支出で、教育費自体、子どもの年齢や進学プランによって必要時期が比較的予測しやすい支出として扱われています 。

入学時期がほぼ決まっている以上、必要な時期に十分な資金を確保できなければ意味がありませんよね。

しかし、投資信託の価格は変動するため、10年後という比較的中期のタイミングでも、元本を下回っている可能性がないわけではありません。

「10年あれば大丈夫」という考え方もあるとはいえ、重要なのは「絶対大丈夫」ではなく「必要な時期に足りているか」であって、教育費のように、時期と金額がある程度予測できる支出であれば、安全性の高い資産で準備することを基本にすべき。

毎月の生活費まで投資に回すと起きがちなこと

「資産は増えているのに毎月カツカツ」という状態は、一見すると矛盾しているように見えます。

しかし、手取りから固定費や生活費を差し引いた上で、さらに多額を投資に回している場合、実際に使えるお金が残りづらくなるのは自然な結果。

投資額の割合が家計の目安(手取りの20〜30%程度)に収まっていたとしても、固定費が大きい、あるいは家族の希望する支出(旅行、習い事など)を削ぎ落としている場合、生活の満足度は下がってしまいます。

未来のために現在を苦しくしているようなもの。

投資は手段であって目的ではありません。

「将来のために備えているはずなのに、今の生活が苦しい」という状態は、本末転倒で、NISA積立額を決める前に「投資後に残る使えるお金」が、家族にとって納得できる水準かどうかを確認すべきです。

家計のお金を3つに分ける考え方

重要なのは、家計のお金を「用途と時期」で明確に分けることで、具体的には、「生活防衛資金」「教育費など中期資金」「長期投資資金」の3つで考えてみましょう。

生活防衛資金の役割と目安

生活防衛資金とは、失業や病気など、収入が止まったり減ったりしたときに備える資金で、「知るぽると」などの公的な家計管理の解説でも、生活費の3〜6ヶ月分程度を確保することが推奨されています 。

この資金は、すぐに引き出せて、価格変動リスクがほとんどない形で持っておくべきもので、NISAなどの投資枠を埋めることを優先して、生活防衛資金を削ることは避けましょう。

教育費など中期資金の扱い

教育費は、子どもの成長に合わせて必要時期が予測しやすい支出で、幼稚園から大学までの費用は、公立・私立や進学プランによって大きく異なりますが、いずれにせよ「いつ、どれくらい必要か」をある程度見積もることができます。

このような中期資金は、安全性の高い資産で準備するのが基本で、一部を投資に回す選択肢も否定しませんが、それは「最悪元本割れしても、他の資金で補える」という前提があってこそ。

長期投資資金としてNISAを使う位置づけ

長期投資資金とは、10年以上の長期で運用できる余剰資金で、生活防衛資金と教育費など中期資金を確保した上で、さらに余裕がある部分を指します。

NISAは、この長期投資資金に向いた制度で、非課税メリットを活かしながら、価格変動リスクを時間である程度吸収できるため、長期的な資産形成の核として機能します。

重要なのは順番で「NISA枠を埋める」ことを先に考えるのではなく、「生活防衛資金→中期資金→長期投資資金」の順で資金を確保し、残った部分をNISAで扱うという発想が理想です。

NISAの積立額を見直すチェックポイント

NISAの積立額は、一度決めたら変えられないものではありませんし、むしろ、家族構成や働き方の変化に合わせて、柔軟に見直していくべきで「2人目の子どもを検討している」「配偶者が時短勤務から復職する」「あるいはその逆」など、家族の働き方が変われば、家計の収支も変わります。

そのようなタイミングで、「今の積立額がまだ余剰資金の範囲か」を再確認するようにしてください。

収入が増えたからといって、すべてを投資に回す必要はありませんし、家族で相談し、生活の満足度を保てる範囲で調整することが大切です。

投資後に残る「使えるお金」を確認する

NISA積立額を決める際は、次の手順で確認することをお勧めします。

  1. 手取り収入から固定費(家賃、ローン、通信費など)を引く
  2. 生活費(食費、日用品、交通費など)を引く
  3. 教育費など中期資金の積立を引く
  4. 残った金額の範囲で、長期投資資金としての積立額を決める

この手順で重要なの、「投資額」から考えるのではなく、「残るお金」から考えることで、投資後に残るお金が、家族の希望する支出(旅行、習い事、趣味など)を賄える水準であれば、その積立額は持続可能となります。

NISAは、長期的な資産形成にとって有用な制度ですが、「非課税だから何でも入れてよい」「枠を埋めることが最優先」という発想とても危険。

重要なのは、家計のお金を「生活防衛資金」「教育費など中期資金」「長期投資資金」の3つに分け、NISAは主に長期投資資金で使うことで、教育費や生活費まで安易に投資に回すと、必要な時期に資金を確保できない、あるいは生活が圧迫されるリスクがあります。

NISA積立額を決める際は、「投資額」ではなく、「投資後に残る使えるお金」を基準にしましょう。

家族構成や働き方の変化に合わせて、柔軟に見直すことも忘れないでくださいね。


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