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日本株ETFと米国株ETF、両方持つ必要はある?

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まず知っておきたい、日本株ETFと米国株ETFの基本的な違い。

そもそもETFとは何?

ETF(上場投資信託)というのは、株式市場に上場している投資信託のことで、個別株のように証券口座からリアルタイムで売買でき、1本買うだけで多くの銘柄に分散投資できるという特徴があります。

投資信託と株式の「いいとこ取り」のような金融商品だと思うとわかりやすいでしょう。

日本株ETFが追いかけているものとは

日本株ETFの多くは、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)に連動するように設計されていて、日経平均はトヨタやソニーなど有名企業225社の平均値、TOPIXはさらに幅広い東証上場銘柄全体の動きを反映しています。

日本企業の業績や国内景気の動向が、そのまま値動きに影響します。

米国株ETFが追いかけているものとは

米国株ETFはS&P500やNASDAQ100などに連動するものが主流で、S&P500はアメリカの代表的な500社を対象としており、アップル・マイクロソフト・アマゾンといった世界的な大企業が上位を占めています。

米国企業の成長と、ドル円の為替レートの両方が値動きに影響するのが特徴となっています。


それぞれのメリットと、見落とされがちなデメリット

日本株ETFの強みと弱み

日本株ETFの最大のメリットは、為替リスクがないことで、日本円で投資して日本円で受け取るため、ドル円の動きに振り回されません。

また、日本在住の投資家にとっては情報収集がしやすく、身近な企業の動きを追いやすいという安心感もあります。

一方で弱みとして正直に言うと、過去30年の長期的なリターンは米国株に大きく劣ってきました。

1990年代のバブル崩壊以来、日本株全体は長らく低迷が続き、ようやく2024年前後にバブル期の高値を超えた状況で、少子高齢化・人口減少という構造的な問題が、長期の成長期待に影を落としている点も無視できません。

米国株ETFの強みと弱み

米国株ETFの強みは、過去の長期リターンの実績が非常に高い点で、S&P500はおよそ過去30年で平均年率10%前後のリターンをあげており、長期で積み立てた場合の資産成長力は日本株ETFを圧倒します。

世界中の優秀な企業が米国市場に集まっているため、「世界経済の成長に乗る」という意味合いもあります。

デメリットは為替リスクで、円高になると、ドルで増えていても円換算では目減りします。

たとえば米国株が10%上昇しても、同時に円高が10%進めば、円換算のリターンはほぼゼロになります。この点を「怖い」と感じる人は多く、実際に2022〜2023年の急激な円安のあとに円高が来た局面では、多くの投資家が為替の影響を痛感しました。

【盲点】為替リスクは本当に怖いのか?

ここで少し立ち止まって考えてほしいのですが、為替リスクは「リスク」であると同時に「チャンス」でもあります。

円安になれば米国株ETFの円換算リターンは増え、実際に2022〜2024年にかけて円安が進んだ局面では、米国株ETF保有者はダブルで恩恵を受けました。

また、20年・30年という長期で積み立てる場合、為替の影響は年単位では大きく見えても、長期では平均化されていく傾向があります。

問題になるのは「円高のタイミングで一気に売らざるを得ない状況」になったときで、逆に言えば、使う時期が決まっていない長期積立の場合、為替リスクはそれほど致命的ではないとも言えます。


目的別・状況別の判断軸

老後資金を20年かけて積み立てたい人へ

長期積立が目的であれば、過去の実績から見ると米国株ETFに優位性がありますので、短期の値動きや為替に一喜一憂せず、積み立てを続けられる人には特に向いています。

NISAの成長投資枠やつみたて投資枠でS&P500連動ETFをコツコツ積み上げるのは、多くのファイナンシャルプランナーが支持するスタンダードな戦略です。

日本円で使う予定のお金を増やしたい人へ

5〜10年以内に日本円で使う予定のある資金を増やしたい場合、為替リスクを取りたくないのは自然な流れで、その場合は日本株ETFのほうがシンプルに管理できます。

ただし、日本株ETFも値動きはあるため「絶対に減らせないお金」には向きません。

すでに片方を持っている人が考えるべきこと

すでにS&P500連動のETFを積み立てている人が「日本株ETFも買うべきか」と悩む場合、追加する理由は「分散効果」よりも「気分の安心感」になっていないかを確認してほしいです。

米国株ETFはすでに世界中の企業に分散されているため、日本株を加えることで分散効果が劇的に高まるわけではありません。


両方持つのはアリか?分散の本当の意味

「どちらかに絞るのが不安だから両方持つ」という発想はわかりますが、分散とは「値動きの異なるものを組み合わせる」ことに意味があります。

日本株と米国株は同じ「株式」カテゴリであり、世界的な暴落時には両方同時に下がることも多く、それでも両方持つメリットがあるとすれば、円高・円安どちらの環境でも完全にゼロにはならないという心理的な安定感です。

特に退職後など為替リスクを減らしたい時期に向けて、徐々に日本株ETFの比率を上げていくという戦略は合理的です。


選ぶ基準は「どちらが上がるか」ではない

日本株ETFと米国株ETFのどちらが優れているかという問いに対して、正直な答えは「どちらが上がるかは誰にもわからない」です。

ただし、選ぶ基準は明確にできます。

長期で積み立てて老後に備えるなら米国株ETF、為替リスクを取りたくない・日本円で近いうちに使う予定があるなら日本株ETFが選びやすいですし、すでに米国株ETFを持っているなら、日本株ETFを加えることへの過度な期待は禁物です。

大切なのは「どちらが正解か」ではなく、「自分の目的と期間に合っているか」を基準にすることで、その軸さえ持てば、相場のニュースに振り回されることなく、長く投資を続けられるはずです。


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